光文社「STORY
2005年11月号



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手が「私」を語る
手は女を語る

セミナーでグラスを持って話したり
ワインを人の目の前で抜栓したり
手先を見つめられる毎日です。
爪を派手にすることはできないけれど
ボロボロの手では困ります。
でも駆け出しの頃は、
夢中でソムリエナイフを使っていて
気がついたら手から血を流していた、
なんて失敗もありましたね。
今、開けているのは、マルゴーの
CH.マレスコ・サンテグジュペリ。
ヴィンテージは娘の生まれ年、
1995年です。

コンクールで優勝するソムリエを
めざしてはいません。
ずっと素人で居続けたい
それが私の武器でもあるのだから
大学3年のとき、「サントリー・レゼルヴ」のCFで共演した加藤和彦さんとかまやつひろしさんは大のワイン通。 「紀ノ国屋で1500円のを片っ端から飲んでみたら、少しはわかるよ」と言われたのが、もともと好きだったワインにのめりこんでいくきっかけでした。卒業後もモデルを続けながら、暇さえあれば食べ歩きや、海外ワイナリー見学を繰り返し、専門のワインスクールを終了する頃には、ワインがらみの仕事も増えてきました。モデルとワインの二足のわらじ。どちらの仕事も楽しかったけれど、もっと企画したり積みかさねていける仕事をしてワインに関わりたいと思っていたとき、九州の大きな酒問屋さんが、ワイン全般を任せたいと言ってくださいました。料飲業種だけではく流通にも関われる、すごく面白い仕事だったんです。「頑張ればこれでちゃんと立てる、今これをものにしないと!」と、初めて行くべき道を見つけた思いでした。レストランが大好きだけどソムリエが怖かった若い頃、何もしらないけどただワインが好きだった頃のことを忘れないでいたいし、ソムリエだから教えられるワインの楽しさをもっと多くの人に伝えたい。私の「立ち位置」はワインいの世界のプロと素人のちょうどはざまです。素人感覚をなくしたら、存在価値がないと思っています。勉強することは山積みだし、恥をかく寸前のことだってありますが、夜中じゅう勉強する辛さより、やらせていただける嬉しさのほうが、何倍も大きいですね。